業務用エアコンの能力(馬力)

家庭用エアコン(ルームエアコン)では、そのエアコンの持つ性能や能力を何畳用という表記を用いて表しますが、業務用エアコン(パッケージエアコン)の場合には、設置場所の広さ・用途ごとに必要な能力を「馬力」という表記を用いて表します。また、馬力が同じでも設置位置の違いで大きく効きが変わる場合もあるため、居抜きの場合は注意が必要です。

業務用エアコンの導入・入れ替えを検討されている方のなかには、馬力の選び方にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
業務用エアコンに搭載されている馬力はメーカーによって異なるので、設置場所にあったものを選ぶことで室内の環境が快適になることでしょう。
そこで本記事では、業務用エアコンの馬力の概要や馬力の選び方などを紹介します。
業務用エアコンの導入を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

業務用エアコンの馬力とは?

業務用エアコンの馬力とは、エアコンの能力やパワーを表す単位のことです。
搭載されている馬力が高いほどパワーが強力になるため、冷房や暖房の風が室内に行き渡りやすくなります。
室内が狭い場合や室内の人数が少ない場合は、低い馬力の業務用エアコンでも問題ないでしょう。
しかし、室内が広い場合や室内の人数が多い場合に、低い馬力の業務用エアコンを使用すると室温の調整が難しくなります。
そのため、業務用エアコンを導入する際は、室内の人数や広さに合った馬力を搭載したものを選ぶ必要があるのです。

業務用エアコンの1馬力はどのくらいの広さに対応できるのか?

メーカーやタイプによって数値が少し異なる場合がありますが、業務用エアコンは1馬力で約11㎡の広さに対応しています。
坪数に換算すると3.3坪、畳に換算すると約6.6畳となるので、10坪ほどの広さの事務所や店舗であれば、3馬力ほどの業務用エアコンが適切です。

業務用エアコンは1馬力でどのくらい電力を消費するのか?

業務用エアコンの1馬力ごとの消費電力の目安は約2.8kwです。
しかし、電力の消費量は一定ではなく、業務用エアコンのモードやタイプによって大きく異なるため、上記はあくまで目安です。
たとえば、冷房よりも暖房のほうが消費電力の量が多く、壁掛けタイプや床置きタイプよりも天井埋め込みタイプのほうが電力を消費しやすい傾向にあります。

業務用エアコンと家庭用エアコンの違い

業務用エアコンと家庭用エアコンの最大の違いは、搭載されている馬力と機能です。
業務用エアコンは家庭用エアコンよりも馬力が高いので、室温をスピーディに暖める能力や冷やす能力に優れている点が特徴です。
また、業務用エアコンにはさまざまな機能があるという点も家庭用エアコンとの大きな違いだといえます。
たとえば、赤外線センサーを活用して効率的に室内の冷暖房を調節する機能や、自動的にフィルターが掃除される自動清掃機能があります。
ほかにもさまざまな機能を搭載している機器が各メーカーから出ているため、事業所の空調をより快適なものにすることができるでしょう。
強力な出力と空調を調整するためのさまざまな機能は、業務用エアコンならではの特徴だといえます。

既設のエアコンをそのまま使用した場合、以前の入居者の業態に合わせて設置しているため、広さが同じでも現在の使用環境や間取りによってタイプや馬力があっていない可能性があります。
下記に業種・広さ別での馬力表を掲載しておりますのでご参考にしてください。

※こちらはあくまで目安となりますので詳しくはお問い合わせください。

業務用エアコンの馬力やサイズの選び方

業務用エアコンの馬力を選ぶ際は、室内の広さや室内の人数といったさまざまなポイントを意識しておくことが重要です。
ここからは、業務用エアコンの馬力の選び方をケース別に紹介します。

一般店舗の場合

一般店舗の業務用エアコンの選び方

服飾用品や貴金属、また日用雑貨品などを販売している一般店舗では、10坪あたり3馬力ほどの業務用エアコンを選ぶようにしましょう。
ただし、店舗に訪れるお客様の人数や設置されている商品が多い場合や冷蔵ショーケースなどを置いている生鮮食品店の場合は空調の調整が難しい場合があります。
その場合は、馬力のランクを上げてもよいかもしれません。

店舗・商店の業務用エアコンの選び方

一般店舗の広さ別エアコン馬力表

理容店・美容室の場合

喫茶店・美容室の業務用エアコンの選び方

理容室や美容室では、先ほど紹介した一般店舗の場合と同様に10坪あたり3馬力ほどの業務用エアコンを選ぶようにしましょう。
そのうえで注意が必要なのは、理容室や美容室では、粘着性の高いヘアスプレー剤や細かい髪の毛を吸い込んでしまうことで業務用エアコンに負担がかかりやすくなるという点です。
業務用エアコンに負荷がかかると壊れやすくなります。
そのため、理容室や美容室では、馬力だけではなく、フィルター清掃機能を搭載した業務用エアコンを使用することを選択肢にいれるようにしましょう。

理容・美容院の業務用エアコンの選び方

美容室の広さ別エアコン馬力表

飲食店の場合

レストラン・食堂の業務用エアコンの選び方

飲食店では、10坪あたり4~5馬力ほどの業務用エアコンを選ぶようにしましょう。
飲食店では調理の際に発生する熱が客席に影響することが考えられるため、やや高めの馬力を選ぶことで快適な室温を保てるようになります。
特に、焼き肉や鉄板焼きなどの飲食店ではお客様が熱を感じやすいため、業務用エアコンの馬力が弱いと汗をかいてしまうことが考えられます。

飲食店の業務用エアコンの選び方

レストランの広さ別エアコン馬力表

事務所の場合

事務所の業務用エアコンの選び方

事務所の場合の場合では、10坪あたり3~4馬力ほどの業務用エアコンを選ぶようにしましょう。
ただし、事務所の人数や設置されているOA機器の数が多い場合は、体温や機器の発熱により室温が上がりやすくなります。
そのため、事務所の人数や設置されているOA機器の数などを確認したうえで、最適な馬力を選ぶようにしましょう。

事務所・オフィスの業務用エアコンの選び方

事務所の広さ別エアコン馬力表

※業種グループで大きく4つに分けたものを紹介しています。(これは社団法人日本冷凍空調工業界の規定に基づいたものです)。しかし、建物条件(例:壁面が全てガラスで太陽熱の影響が大きい)や、用途(例:OA機器が多数置いてあって発熱量が大きい)により適合能力が変動しますので、参考値としてご利用ください。

業務用エアコンを選ぶ際は広さや業種に合わせて最適な馬力を選ぶ

いかがでしたでしょうか。
業務用エアコンに搭載されている馬力が高いほど、冷房や暖房の風が室内に行き渡りやすくなります。
業務用エアコンの馬力の目安は、3馬力で10坪ほどですが、調理の熱が発生しやすい飲食店やOA機器が多い事務所の場合は、室温がうまく調整できないことがあります。
その際は、1ランク上の馬力を搭載した業務用エアコンを選ぶようにしましょう。
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