業務用エアコンの処分(撤去)方法と費用・注意点

業務用エアコンを導入したものの、処分の方法が分からずにお困りの方もいらっしゃることでしょう。
業務用エアコンは家庭用エアコンとは扱いが異なるため、事前にやり方を確認しておくことでスムーズに処分ができるようになります。

そこで本記事では、業務用エアコンを処分する方法や注意しておくとよいポイントなどを紹介します。
業務用エアコンの処分にお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

業務用エアコンは普通に処分(撤去)できるのか?

家電を処分する際は、一般的には「家電リサイクル法」が適用されます。

家電リサイクル法は、機器の部品や材料をリサイクルして有効活用することを目的とした法律です。
家電リサイクル法に基づき、対象となっている家庭用の機器を処分する際は、市区町村に依頼すれば回収してもらえます。

そのため、業務用エアコンを処分する際も、この法律が適用されるのかと疑問に感じている方もいらっしゃることでしょう。

しかし、業務用エアコンは家庭用エアコンと同じ方法で処分することができません。

その理由は、2013年に制定された「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」にあります。
この法律は、地球のオゾン層の破壊や地球温暖化に影響を与えるフロン類の排出を抑えるために制定されたものです。

オゾン層を破壊する恐れがあるフロン類が使われた機器を処分する際は、専門の業者に依頼して、フロンガスを適切な方法で回収・処分してもらう必要があります。
業務用エアコンにもフロンガスが使われているため、この法律に則り専門の業者に処分してもらう必要があるのです。

業務用エアコンを独断で処分(撤去)するとどうなるのか?

業務用エアコンの処分を考えている方のなかには
「業務用エアコンの処分を業者に依頼すると費用がかかるので、家庭ごみと一緒に廃棄したい」
「早めに業務用エアコンを取り換えたいから、自分たちだけで処分したい」
という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、個人で業務用エアコンを処分すると、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」の違反により、50万円以下の罰金が科せられる場合があります。
個人がフロン類の処分をすることは法律で固く禁じられているので、必ず産業廃棄物取扱業者に依頼するようにしましょう。

また、業務用エアコンの処分を業者に依頼する際は、充塡回収業者がフロン類を回収する際に発行する「引取証明書」の写しが必要になります。
引取証明書の原本は3年間保存する必要があるので、スムーズに業務用エアコンを処分するためにも必ず準備しておくようにしましょう。

業務用エアコンの処分(撤去)方法とメリット・デメリット

業務用エアコンは、一般家庭のエアコンと同じ方法では処分ができないことを上記で紹介しました。
それでは、業務用エアコンを処分する際は、どのような対応をすればよいのでしょうか。

ここからは、業務用エアコンを処分する4つの方法を、それぞれのメリット・デメリットとともに紹介していきます。

産業廃棄物処理業者に依頼する

1つ目の方法は、産業廃棄物処理業者に依頼することです。

産業廃棄物処理業者には、室内に設置されている業務用エアコンの取り外しから処分までに必要な一連の作業を依頼できます。
取り扱いが難しいフロン類についても高い知識があるため、安心・安全に業務用エアコンを処分できることは大きなメリットだといえるでしょう。

しかし、産業廃棄物処理業者に依頼する際は、撤去や回収、そして運搬などを含めた費用が高額になりやすいというデメリットがあります。

業務用エアコンのタイプや馬力によって必要な費用は異なりますが、大型のタイプや天井埋め込みタイプの場合は、10万円以上の費用がかかる場合もあります。

そのため、産業廃棄物処理業者に業務用エアコンの処分を依頼する際は、事前にどのくらいの費用が必要になるのかを確認しておくようにしましょう。

撤去作業を自分たちで行い、廃棄は産業廃棄物処理業者に依頼する

2つ目の方法は、撤去作業を自分たちで行い、廃棄は産業廃棄物処理業者に依頼することです。

業務用エアコンを処分する際に、一連の作業を産業廃棄物処理業者に依頼すると費用が高額になる傾向にあります。
業務用エアコンの撤去費用の目安は、取り外しが簡単な壁掛けタイプの場合は約4万円で、取り外しが難しい天井埋め込みタイプの場合は約9万円です。

そのため、業務用エアコンの撤去だけを自分たちで対応して、回収や運搬を産業廃棄物処理業者に依頼することで、処分にかかる費用を抑えられるというメリットがあります。

しかし、業務用エアコンが大型で重量がある場合や天井に設置されている場合は、撤去に時間がかかることが考えられます。
場合によっては、作業の途中で落下して怪我をしてしまうことにもつながりかねません。

また、分解には専用の工具が必要かつ、分解の手順も複雑なものが多いため、分解作業に慣れていない場合は撤去作業も業者に依頼したほうが安全です。

家電量販店に依頼する

3つ目の方法は、家電量販店に依頼することです。

規模が大きい家電量販店であれば、家庭用エアコンだけではなく、業務用エアコンの撤去・廃棄も対応している場合があります。

産業廃棄物処理業者に依頼するよりも費用が抑えられる場合もあるので、店舗や事務所の近くに家電量販店がある場合は問い合わせてみるのもよいでしょう。

しかし、あくまでも家電量販店は家庭用エアコンの対応がメインとなっています。
そのため、業務用エアコンのタイプによっては、撤去・廃棄を断られる場合があるので注意が必要です。

専門の業者に買い取ってもらう

4つ目の方法は、専門の業者に買い取ってもらうことです。

買い取り業者のなかには、業務用エアコンの買い取りを専門としている業者がいます。
業務用エアコンの型が新しい場合や人気が高い型であれば、費用をかけずに業者に買い取ってもらうことも可能です。

しかし、業務用エアコンが故障している場合や型が古い場合は、買い取りを断られてしまう場合があります。
また、業者によっては出張費用や見積もり費用がかかる場合もあるので、注意しておくようにしましょう。

業務用エアコンを処分(撤去)する際の流れ

業務用エアコンを撤去する際の一連の流れはどのようになっているのでしょうか。
撤去の方法は上記で紹介したものがありますが、ここでは産業廃棄物処理業者に一連の作業を依頼した際の流れを紹介します。

業務用エアコンのタイプや業者によって順番が多少前後する場合がありますが、処分する際の基本的な流れは以下のとおりです。

業者に依頼する

業務用エアコンを撤去する際は、業者を探して依頼することから始まります。

業者によって撤去費用や対応可能な日時などは異なるので、複数の業者に同じ条件で相見積もりを取って比較する方法がおすすめです。

また、相見積もりを取る際は費用だけではなく、撤去に関する技術やスピードなども比較するようにしましょう。

フロンガスを回収してもらう

現場に業者が到着して最初に行う作業は、業務用エアコンのフロンガスの回収です。
業務用エアコン本体だけではなく配管内に溜まっているフロンガスを集めることで、大気中にフロンガスが出ることを防ぎます。

業務用エアコン本体・周辺機器を撤去してもらう

フロンガスの回収が完了したら、業務用エアコン本体や周辺機器などの撤去作業が行われます。

機器を撤去し、最後に回収・運搬をしてもらうことで一連の撤去作業は完了です。

業務用エアコンの処分(撤去)にかかる費用の目安

業務用エアコン1台を処分するための費用の目安は、トータルで6~16万円ほどです。

業務用エアコンを撤去する際の費用は、大きく「フロンガスの回収費用」「業務用エアコン本体・付属品の撤去費用」「回収・運搬費用」に分かれています。

ここからは、それぞれの費用の相場や概要を紹介していきます。
なお、以下で紹介する相場はあくまで目安なので、業務用エアコンのタイプや設置場所、業者によって費用の相場は異なるのでご注意ください。

フロンガスの回収

フロンガスの回収にかかる費用の相場は、回収基本料・回収料・機器設置料などを含めて約2~3万円です。

別途で「破壊証明書」を発行・取得すると、さらに5,000~6,000円ほど追加で費用がかかることもあるので注意しておきましょう。
破壊証明書とは、業務用エアコンを適切に処分したことを証明する書類のことです。

上記で紹介しましたが、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律により、フロンガス・フロン類が含まれた機器は個人では処分ができません。
破壊証明書を発行することは「適切な方法で業務用エアコンを処分した」という証拠になります。

業務用エアコン本体・付属品の撤去

業務用エアコン本体を撤去する費用の相場は、室外機や室内機、その他付属機器の撤去料金も含めて約4~10万円です。

業務用エアコンのタイプや設置場所によって撤去費用は大きく異なり、撤去に時間がかかるものになるほど料金が高くなる傾向にあります。

たとえば、簡単に取り外しが可能な壁掛けタイプや床置きタイプの撤去費用は約4~5万円が相場ですが、取り外しが難しい天井埋め込みタイプは約10万円かかる場合があります。

回収・運搬

取り外した業務用エアコンを回収・運搬する費用の相場は約0~3万円です。

大型のエアコンになるほど運搬に必要な作業員が増えることから、費用が高くなる傾向にあります。
業者によっては、業務用エアコンの撤去費用に回収・運搬の費用が含まれている場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

業務用エアコンを処分(撤去)する際は専門業者に

いかがでしたでしょうか。

業務用エアコンを処分する際は、専門の業者に依頼して適切な方法で処分してもらう必要があります。

業務用エアコンを処分する際は、産業廃棄物処理業者や家電量販店に依頼することが一般的です。
しかし、業務用エアコンの型が新しい場合や人気が高い型の場合は、買い取り専門の業者に買い取ってもらえる場合もあります。

そのため、まずはさまざまな業者に見積もりを取るようにしましょう。

ACNではお客様に最適な業務エアコンのご提案をさせていただいております。
初期費用0円のメンテナンス付きリースプランや、蓄積されたノウハウで、お客様の職種や設置環境に合わせたぴったりの業務用エアコンをご紹介いたします。

休日・深夜のスピード工事、業務用エアコンの馬力変更や設置位置の見直しなど、業務用エアコンのリース・取り付けならACNにお任せください!

Pマーク画像
当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与認定を受けています。 プライバシーマークは、日本工業規格「JIS Q 15001:2017個人情報保護マネジメントシステム要求事項」に適合して 個人情報を適切に取り扱っている事業者に付与されるものです。