業務用エアコンのエラーコード別にみるトラブルとその改善策について

業務用エアコンは、オフィスビル、店舗、工場、病院、学校など、さまざまな業務で使用される重要な設備です。特に日本の湿気の多い季節には、その機能不全が業務に直結してしまいます。エアコンのトラブルが発生した場合、エラーコードを読み解くことが迅速な復旧への第一歩となります。
業務用エアコンのエラーコードの詳細とその改善策に焦点を当て、特にダイキンと三菱電機の代表的なエラーコードに関する原因と改善方法を解説します。
これにより、現場のスタッフや保守担当者が自信を持って対応できるようになることを目指します。

エラーコードとは?

エラーコードは、エアコン本体またはリモコンに表示され、異常が発生している部位を示します。メーカーごとに異なるエラーコード体系があり、コードに従って原因を特定し、早急に対応することが求められます。

エラーコードの確認方法

リモコン表示部に表示されたエラーメッセージを確認
室外機のLED点滅回数でエラーコードを判断(モデルによる)
サービスマニュアルを参照して、エラーコードに対応する部品の確認を行う

ダイキンの業務用エアコン:主なエラーコードと改善策

ダイキンの業務用エアコン(スカイエアやVRVシステム)は、世界中で使用されているため、多くのエラーコードが設定されています。以下では、代表的なエラーコードについて、原因と改善策を詳述します。

A3エラー【排水不良】

原因
・ドレンパンの水が正常に排水されないことにより、フロートスイッチが作動しエラーが発生します。
・詰まりやポンプの故障が主な原因です。

改善策
ドレンパンの清掃: 定期的にドレンパンを清掃し、ホコリやゴミがたまらないようにします。特に湿度が高い季節に詰まりやすくなりますので、清掃を欠かさないことが重要です。
排水ホースの点検と交換: 排水ホースが外れたり、内壁が劣化していると水流がうまく流れません。排水ホースを定期的に点検し、詰まりがあれば清掃、亀裂があれば交換します。
フロートスイッチの点検: スイッチが正しく作動しているか確認し、異常があれば交換します。高温多湿の環境ではスイッチが故障しやすいので注意が必要です。

U0エラー【冷媒不足】

原因
・冷媒回路の圧力が規定値より低くなっているため、エラーが発生します。
冷媒漏れや冷媒の充填ミスが主な原因です。

改善策
冷媒漏れの検出: 冷媒漏れが疑われる場合、専用のリークテスト用の機器を使用して漏れ箇所を特定します。漏れを見つけたら、パイプや接続部分を修理または交換します。
冷媒の再充填: 冷媒が不足している場合、必要量を再充填します。充填量はメーカー指定の規定量に従い、過剰に充填しないように注意します。
冷媒回路のチェック: 冷媒回路や圧力センサーに異常がないか確認します。これにより、冷媒不足の原因を根本的に解決します。

U4エラー【室内外通信異常

原因
・室内機と室外機間の通信が断絶した場合に発生します。接続端子の不良や配線の断線、基板の故障が主な原因です。

改善策
配線の確認: 通信ケーブル(F1、F2)の導通確認を行います。接触不良や
断線がないか確認し、問題があれば接続端子を増し締め、または新しいケーブルに交換します。
基板の点検: 基板に不具合がある場合、基板交換が必要です。特に長時間使用しているエアコンでは、基板の故障が多く見られるため、定期的に点検することが予防になります。

E4エラー【低圧圧力異常】

原因
・冷媒回路の低圧が異常である場合に発生します。冷媒不足や配管の詰まりが
主な原因です。

改善策
圧力の測定: マニホールドゲージを使用して冷媒の圧力を測定し、規定値と比較します。冷媒が不足している場合は再充填し、配管に詰まりがある場合は詰まりを取り除きます。
冷媒回路の点検: 圧力センサーや配管の状態をチェックし、必要であれば交換します。特に冷媒回路に異常があった場合は、冷却効率が著しく低下するため、早期に対応することが大切です。

AFエラー【ドレン水位異常】

原因
・排水が正常に行われていない場合に発生します。ドレンポンプやフロートスイッチの故障が考えられます。

改善策
ドレンポンプの点検: ポンプの異常がないか確認し、故障している場合は新品に交換します。また、ポンプ内に異物が詰まっていることもあるため、清掃を行います。
排水経路のチェック: 排水ホースに詰まりがないか確認します。詰まりがある場合は清掃し、逆勾配や不適切な配管がないかを確認して修正します。

三菱電機の業務用エアコン:主なエラーコードと改善策

三菱電機の業務用エアコンも非常に人気があり、安定性と信頼性が高いですが、トラブルが発生することもあります。以下では、代表的なエラーコードの改善策を詳述します。

E9エラー【通信異常】

原因
・室内外機間の通信が正常に行われない場合に発生します。配線ミスや断線、基板の故障が主な原因です。

改善策
通信ケーブルの確認: 通信ケーブル(S1・S2)に断線や接触不良がないか確認します。接続端子が緩んでいれば締め直し、ケーブルに傷や腐食があれば交換します。
基板の交換: 通信が確認できない場合、基板の故障が疑われます。この場合、基板を交換する必要があります。交換作業は、特に技術者に依頼することをお勧めします。

EAエラー【ユニット接続不良/台数超過】

原因
ユニット接続の情報と実際の接続台数が一致しない場合や、接続台数が規定の範囲を超えている場合に発生します。

改善策
設定の確認: ユニット構成情報が正しいか確認し、設定を修正します。特に、新しい室内機や室外機を追加した場合に設定が不十分な場合に発生しやすいエラーです。
接続台数の再確認: 接続する機器の台数が規定を超えていないか再確認し、必要に応じて台数を減らすか、機器の配置変更を行います。

E48エラー【ファンモーター異常】

原因
・DCファンモーターが回転不良や制御不能になった場合に発生します。

改善策
ファンモーターの交換: ファンモーターが故障している場合、モーターを交換する必要があります。モーターの回転チェックと電流チェックを行い、異常があれば速やかに交換します。
基板点検: ファンモーター制御を行う基板に不具合がある場合、基板交換が必要です。ファンモーター制御信号が正しく送られていないことが原因の場合があります。

P8エラー【排熱異常】

原因
・コンプレッサーの排熱温度が異常に高くなった場合に発生します。熱交換器の汚れや、室外機のファンに不具合があることが原因です。

改善策
熱交換器の洗浄: 熱交換器に汚れがたまっている場合、空気の流れが悪くなり、排熱効率が低下します。定期的に熱交換器を洗浄し、汚れを取り除きます。
ファンの点検と交換: 室外機のファンが回転しない場合や、音が異常に大きい場合は、ファンモーターが故障している可能性があります。ファンモーターを交換するか、必要に応じて修理を行います。

共通するトラブルとその傾向

通信異常
通信エラー(U4・E9)は、現場でよく発生します。配線ミスや経年による接続端子の劣化が主因です。予防策としては、定期的な配線チェックと端子の清掃、接続確認が重要です。

冷媒関連のトラブル
冷媒不足(U0)や冷媒過多(E4)は、施工時の不備や点検不足が原因です。冷媒圧力は必ず計測し、適正な量を確保することが大切です。

排水不良
排水不良は特に湿度が高い季節に頻繁に発生します。ドレンパンや排水ホースの清掃を定期的に行い、排水経路を確保しておくことが重要です。

まとめ

業務用エアコンのエラーコードは、単なるエラー通知にとどまらず、重要なメッセージです。エラーの意味を理解し、迅速に対応することで、業務の安定稼働を保つことができます。
特にダイキンや三菱電機のエラーコードにおいては、原因と改善策を把握することで、多くのトラブルを未然に防ぐことが可能です。現場で活用できる知識を深め、安定した空調環境を維持しましょう。

ACNでは、最新機種の導入だけでなく、設置後のメンテナンス・サポートの点で高く評価を頂いております。また、専門のサービスマンが各地域に配属されていますので、エラーが出たなどといったユーザー様からの問い合わせにも対応しております。上記で説明したエラー等が頻度が多く出ており入替を検討している方はお気軽にご連絡ください!

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