オフィス全館空調とは?冷房が効かない原因と見直し方

オフィス全館空調は、建物全体の快適性や電気代、従業員の働きやすさに関わる重要な設備です。ただし、セントラル空調や個別空調との違いがわかりにくく、冷房が効かない原因を判断しにくい場合もあります。この記事では、オフィス全館空調の基本から、メリット・デメリット、冷房トラブルの原因、メンテナンスや更新の考え方まで解説します。

目次

オフィスの全館空調とは?まず押さえたい基本

オフィスの全館空調を理解するには、まず「建物全体をどのように冷暖房しているか」を押さえることが大切です。住宅向けの全館空調とは異なり、オフィスではセントラル空調、個別空調、業務用エアコンなど複数の方式が関係します。はじめに、全館空調の基本的な考え方を整理します。

全館空調はオフィス全体をまとめて管理する空調方式

全館空調とは、建物全体や広い範囲の空調をまとめて管理する考え方です。オフィスでは、執務室、会議室、共用部、店舗スペースなどを一定の温度環境に保つ目的で使われます。

一般的な家庭用エアコンのように一部屋ごとに機器を動かすのではなく、建物全体の快適性や空調効率を考えながら運用する点が特徴です。特に大規模なオフィスビルや商業施設、医療・福祉施設、工場併設の事務所などでは、複数の空間をまとめて管理する考え方が必要になります。

ただし、「全館空調」という言葉は、業務用空調の正式な分類名として常に使われるわけではありません。現場では、ビル全体で管理されている空調、中央の設備で制御される空調、広い範囲をまとめて冷暖房する仕組みを指して使われることがあります。

オフィスではセントラル空調と近い意味で使われることが多い

オフィスで「全館空調」と言う場合、実務上はセントラル空調に近い意味で使われることがあります。セントラル空調は、中央の熱源設備や管理システムで空調を一元管理する方式です。

大型ビルや商業施設では、フロアやテナントごとではなく、建物全体の運転時間や温度管理が決められているケースもあります。たとえば、平日の日中はビル全体で空調が稼働し、夜間や休日は申請制・追加料金制になるといった運用です。

そのため、オフィスの全館空調を確認するときは、単に「冷房があるか」だけでなく、誰が空調を管理しているのか、どの時間帯に使えるのか、テナント側でどこまで調整できるのかを把握しておく必要があります。

住宅向け全館空調と業務用空調は考え方が異なる

住宅向けの全館空調は、家全体の温度差を少なくする快適性が主な目的です。一方、オフィスの全館空調では、快適性だけでなく、電気代、稼働時間、在室人数、換気、設備管理、テナント運用なども関係します。

たとえば、同じ広さの部屋でも、一般事務所、飲食店、理美容院、店舗では必要な空調能力が異なります。オフィスでも、執務人数が多い部屋、パソコンや複合機が多い部屋、会議で人が集まりやすい部屋では、冷房負荷が変わります。

そのため、住宅向けの「全館空調のメリット・デメリット」だけを参考にして、オフィスの空調設備を判断するのは避けたほうがよいでしょう。オフィスでは、業務内容、働く人数、発熱機器の量、営業時間、空調費の負担方法まで含めて考える必要があります。

オフィス全館空調と個別空調の違い

オフィスの空調方式を見直すとき、全館空調・セントラル空調・個別空調の違いは避けて通れません。空調方式によって、温度調整の自由度、空調費、時間外利用、トラブル時の影響範囲が変わります。自社の働き方に合う方式を見極めるために、それぞれの特徴を整理しましょう。

セントラル空調はビル全体で一元管理しやすい

セントラル空調は、建物内の空調を中央でまとめて制御する方式です。ビル全体の空調管理がしやすく、広いオフィスや大型施設で採用されることがあります。

メリットは、建物全体の温度環境を一定に保ちやすく、管理者側が運転時間や設定をまとめて管理しやすい点です。複数のフロアや共用部を含むオフィスでは、全体の空調バランスを取りやすくなります。

一方で、運転時間や温度設定がビル側で決められている場合、テナント側が自由に調整しにくいこともあります。残業や休日出勤が多いオフィスでは、時間外空調の扱いも確認が必要です。

個別空調はフロアや部屋ごとの調整に向いている

個別空調は、フロアや部屋、ゾーンごとに空調を調整しやすい方式です。会議室だけを冷やす、使用していない部屋の空調を止める、部署ごとに設定温度を変えるなど、利用状況に合わせた運用がしやすくなります。

部署によって勤務時間が異なるオフィスや、小規模〜中規模の事務所では、個別空調のほうが使い勝手がよい場合もあります。特に、夜間対応がある部署、土日営業の店舗、予約制の会議室や研修室などでは、必要な場所だけ空調できる点がメリットです。

ただし、個別空調は自由度が高い分、使い方によって電気代が増えたり、管理が煩雑になったりすることがあります。誰がどの空調を管理するのか、消し忘れをどう防ぐのか、設定温度のルールをどうするのかも考えておく必要があります。

業務用エアコンやビル用マルチとの違いも確認する

オフィスで使われる空調設備には、業務用エアコン、パッケージエアコン、ビル用マルチエアコンなどがあります。これらは室内機や室外機の構成、対応できる広さ、設置場所によって特徴が異なります。

たとえば、業務用エアコンには天井カセット形、天井吊形、壁掛形、床置形など複数の形状があります。執務室、会議室、店舗、施設など、設置場所や利用用途に合わせて、機器の形状と空調能力を選ぶことが大切です。

オフィスの空調を見直す際は、「全館空調か個別空調か」という大きな分類だけでなく、現在設置されている機器が業務内容や使用環境に合っているかを確認しましょう。空調方式と機器の種類を分けて考えると、修理・更新・入れ替えの判断もしやすくなります。

空調方式・設備特徴向いているケース注意点
全館空調・セントラル空調建物全体や広い範囲をまとめて管理大型オフィス、ビル、施設細かな温度調整が難しい場合がある
個別空調部屋・フロアごとに調整しやすい小中規模オフィス、部署ごとに稼働時間が違う職場管理ルールがないと電気代が増えやすい
業務用エアコン用途・広さに合わせて機種を選ぶ店舗、事務所、会議室能力選定を誤ると効きが悪くなる
ビル用マルチエアコン複数の室内機をまとめて接続できる中大型ビル、複数室の空調設計・施工・保守に専門知識が必要

オフィス全館空調のメリット

オフィス全館空調には、建物全体の空調をまとめて管理しやすいという強みがあります。適切に運用できれば、温度環境の安定、設備管理の効率化、働きやすい空間づくりにつながります。管理者目線で見たときの主なメリットを確認しましょう。

建物全体の温度を管理しやすい

全館空調は、建物全体や広い範囲の温度を一定に保ちやすい点がメリットです。エントランス、廊下、執務室、会議室などの温度差を抑えられるため、従業員や来訪者が過ごしやすい環境をつくりやすくなります。

個別空調の場合、部屋ごとの設定に差が出すぎて、ある部屋は冷えすぎ、別の部屋は暑いという状態になることがあります。全館空調では、建物全体の空調バランスを見ながら運用できるため、極端な温度差を抑えやすいのが特徴です。

特に来客が多いオフィスや、共用部の印象が重要な施設では、建物全体の快適性を保つことが企業イメージにも関わります。受付や応接室だけでなく、廊下や待合スペースも含めた空調管理がしやすくなります。

空調設備をまとめて管理できる

全館空調では、空調設備の運転状況や設定をまとめて管理しやすくなります。設備管理者にとっては、稼働状況の把握、点検計画、メンテナンス履歴の管理がしやすくなる点が利点です。

空調設備が分散している場合、どの機器がどの部屋に対応しているのか把握しづらくなります。担当者が変わったときに、機器の管理台帳が整っていないと、トラブル時の対応が遅れることもあります。

全体管理ができる方式なら、空調管理の属人化を防ぎやすくなります。運転時間、設定温度、点検履歴、修理履歴などをまとめて管理することで、計画的なメンテナンスや更新計画も立てやすくなります。

執務環境の快適性を維持しやすい

オフィスの温度環境は、従業員の集中力や働きやすさにも関わります。全館空調を適切に運用すれば、極端に暑い場所や寒い場所を減らし、安定した執務環境を維持しやすくなります。

たとえば、夏場に窓際だけ暑い、冬場に入口付近だけ寒いといった状態が続くと、従業員の不満につながります。建物全体の温度バランスを見ながら調整できれば、快適性の底上げを図りやすくなります。

また、来客スペースや会議室の快適性を保ちやすい点もメリットです。商談や面接、社内会議の場で空調が効いていないと、相手に与える印象にも影響します。空調管理は、職場環境だけでなく、対外的な印象づくりにも関わる要素です。

オフィス全館空調のデメリットと注意点

オフィス全館空調は便利な一方で、細かな温度調整のしにくさや、時間外利用の制約が課題になることがあります。全館で管理する仕組みだからこそ、使い方によっては不満やコスト増につながる場合もあります。導入済みのオフィスでも、注意点を理解しておくと安心です。

部署や部屋ごとの細かい温度調整が難しい

全館空調では、建物全体や広い範囲をまとめて管理するため、部署や部屋ごとの細かな温度調整が難しい場合があります。窓際は暑い、奥の席は寒い、会議室だけ空気がこもるといった不満が出ることもあります。

人によって快適な温度は異なります。外回りから戻った人は涼しさを求め、長時間デスクワークをしている人は寒さを感じることがあります。全館空調では、こうした個人差や部署ごとの事情に細かく対応しにくい点があります。

対策としては、ブラインドやロールスクリーンで日射を調整する、サーキュレーターで空気を循環させる、座席配置を見直す、会議室など特定の部屋には補助空調を検討するなどの方法があります。

時間外利用や空調費のルール確認が必要になる

セントラル空調に近い方式では、ビル側が空調の稼働時間を決めていることがあります。通常の営業時間内は空調費が共益費に含まれていても、夜間・休日の利用には追加費用が発生する場合があります。

残業、シフト勤務、休日営業があるオフィスや店舗では、時間外空調のルールを事前に確認しておくと安心です。特に、テナントビルに入居している場合は、管理会社やビルオーナーとの契約内容を確認しましょう。

「夜になると急に暑くなる」「休日出勤時に空調が使えない」「時間外空調費が想定より高い」といった問題は、設備の故障ではなく運用ルールに原因があることもあります。空調方式だけでなく、料金体系と申請方法も把握しておく必要があります。

不具合が起きると広い範囲に影響する可能性がある

全館空調は広い範囲をまとめて空調するため、熱源設備や制御系統に不具合が起きると、複数の部屋やフロアに影響する可能性があります。

一部の個別空調なら対象エリアだけの問題で済むこともありますが、全館空調では業務全体に支障が出る場合もあります。たとえば、夏場に冷房が止まると、執務室だけでなく、会議室、受付、サーバールームなどにも影響が広がる可能性があります。

このようなリスクを抑えるには、故障してから修理するのではなく、定期点検や予防保全を行うことが有効です。異音、風量低下、におい、水漏れ、温度ムラなどの小さなサインを見逃さないようにしましょう。

オフィス全館空調で冷房が効かない原因

オフィスで「冷房が効かない」「場所によって暑い」と感じる場合、空調機本体の故障だけが原因とは限りません。フィルターの汚れ、室外機の負荷、レイアウト変更、在室人数の増加など、複数の要因が関係します。原因を切り分けることで、修理が必要か、運用改善で対応できるか判断しやすくなります。

フィルターや吹出口の汚れで風量が落ちている

冷房が効きにくい原因として多いのが、フィルターや吹出口の汚れです。ほこりがたまると空気の流れが悪くなり、設定温度を下げても十分に冷えないことがあります。

まずはフィルター清掃の頻度、吹出口の風量、吸込口の詰まりを確認しましょう。清掃だけで改善する場合もあります。特に、紙資料が多いオフィス、人の出入りが多い店舗、粉じんやほこりが出やすい施設では、フィルターが汚れやすくなります。

清掃記録が残っていない場合は、いつ誰が清掃したのかを確認できません。総務や設備管理担当者が定期点検表を作成し、清掃日、担当者、気づいた症状を記録しておくと、トラブル対応がしやすくなります。

室外機や熱源設備に負荷がかかっている

室外機や熱源設備に負荷がかかると、冷房能力が落ちることがあります。室外機の周辺に物が置かれている、直射日光が強い、排熱がこもるなどの状態では、空調効率が下がりやすくなります。

室外機まわりは日常的に見落とされやすい場所です。植木鉢、廃材、段ボール、清掃道具などが周囲に置かれていると、排熱が妨げられる場合があります。屋上や建物裏に設置されている場合も、点検時に確認しておきましょう。

全館空調や大型の業務用空調では、室外機だけでなく、熱源設備やポンプ、制御機器の状態も確認が必要です。冷房不良が複数の部屋で起きている場合は、社内で判断せず、専門業者に点検を依頼することを検討しましょう。

人員増加やレイアウト変更で空調能力が合わなくなっている

オフィスの人員が増えたり、座席配置を変更したりすると、当初の空調設計と実際の使い方が合わなくなることがあります。パソコンや複合機などの発熱機器が増えることも、冷房負荷を高める要因です。

たとえば、もともと20人で使っていた執務室に30人が常駐するようになった場合、人の体温やパソコンの発熱が増え、以前より暑く感じやすくなります。会議室をオンライン会議用の個室に変えた場合も、機器の発熱や換気不足で室温が上がりやすくなります。

業務用エアコンは、同じ広さでも用途や在室人数によって必要な能力が変わります。空調機器が古い場合や、オフィスの使い方が変わった場合は、能力不足も疑いましょう。

サーバールームや会議室など用途別の熱負荷が影響している

サーバールーム、会議室、応接室、休憩室などは、執務室とは熱負荷が異なります。特にサーバーや通信機器がある部屋は常に熱を発するため、通常の空調だけでは冷えにくいことがあります。

会議室も、短時間で人が集まると急に室温が上がることがあります。普段は問題がなくても、会議や研修の時間だけ暑くなる場合は、空調機本体の故障ではなく、利用人数や換気、熱負荷が影響している可能性があります。

部屋ごとの使い方を確認し、必要に応じて個別空調や補助空調の導入を検討します。特にサーバールームは、執務室と同じ空調設定で管理すると機器トラブルにつながる恐れがあるため、専門業者に相談したほうが安心です。

オフィス全館空調を長く使うためのメンテナンス

オフィス全館空調を安定して使うには、定期的なメンテナンスが欠かせません。日常的に確認できる部分と、専門業者に依頼すべき部分を分けておくと、トラブルの早期発見につながります。点検対象を整理し、空調停止や冷房不良を未然に防ぎましょう。

フィルター・吹出口・吸込口の点検

日常点検で確認しやすいのは、フィルター、吹出口、吸込口です。ほこりや汚れがたまると、風量低下、におい、冷房効率の悪化につながります。

総務担当者や施設管理者が定期的に確認し、清掃記録を残しておくと、トラブル発生時にも原因を追いやすくなります。特に、冷房が効かないと感じたときは、設定温度を下げる前に、空気の流れが妨げられていないか確認しましょう。

チェック項目としては、以下のようなものがあります。

  • フィルターにほこりがたまっていないか
  • 吹出口から十分な風が出ているか
  • 吸込口の前に棚や書類が置かれていないか
  • 吹出口の向きが人に直接当たりすぎていないか
  • においやカビ臭さがないか
  • 清掃日と点検日が記録されているか

室外機・熱源機器・ダクトまわりの確認

室外機や熱源機器、ダクトまわりは、専門業者による確認が必要になることが多い箇所です。異音、振動、水漏れ、冷媒不足、制御不良などは、放置すると大きな不具合につながる可能性があります。

全館空調では一部の不具合が広範囲に影響するため、定期点検のスケジュールを決めておくことが欠かせません。点検時には、機器の動作確認だけでなく、設置環境や周辺の障害物も確認してもらうとよいでしょう。

また、ダクト式の空調では、ダクト内の汚れや風量バランスが快適性に影響することがあります。特定の部屋だけ風が弱い、吹出口によって温度差があるといった場合は、ダクトや風量調整の問題も考えられます。

運転時間・設定温度・ゾーンごとの使い方の見直し

空調トラブルの中には、設備故障ではなく運用の問題で起きているケースもあります。設定温度が低すぎる、使っていないエリアまで空調している、時間外運転が多いなどの場合、電気代や機器負荷が増えます。

オフィスでは、快適性を損なわない範囲で設定温度や運転時間を見直すことが大切です。冷房を強くするだけではなく、ブラインドで日射を抑える、空気を循環させる、使用していないエリアの空調を抑えるなど、運用面で改善できることもあります。

ゾーンごとの使用状況を見直し、働き方に合わせた空調運用へ調整しましょう。たとえば、出社率が低い日には使用エリアを限定する、会議室は利用前後だけ空調する、夜間は必要な区画だけ空調するなどの工夫が考えられます。

オフィス全館空調を更新・入れ替えする判断基準

修理や清掃をしても空調トラブルが続く場合、設備の更新や入れ替えを検討する時期かもしれません。古い空調設備は、冷暖房効率の低下や電気代の増加につながることがあります。修理で対応するか、更新したほうがよいかを判断する視点を持っておきましょう。

修理しても同じ不具合を繰り返す

冷房が効かない、異音がする、水漏れが起きるなど、同じ不具合を何度も繰り返す場合は、部品交換だけでは根本的に解決しない可能性があります。

修理費が積み重なると、結果的に更新したほうが合理的なケースもあります。過去の修理履歴と費用を整理し、更新を検討する判断材料にしましょう。特に、古い機器では部品供給が終了している場合や、修理できても再発リスクが高い場合があります。

判断するときは、「今回の修理費」だけでなく、「今後数年使い続けるために必要な費用」を考えることが大切です。修理を繰り返すより、設備更新によって電気代や故障リスクを下げられる可能性もあります。

電気代が上がり空調効率が落ちている

空調設備が古くなると、同じ温度にするために多くのエネルギーを使うことがあります。電気代が上がっているのに冷房の効きが悪い場合は、空調効率の低下が疑われます。

省エネ性能の高い業務用エアコンへ更新することで、運用コストを見直せる場合もあります。ただし、更新費用は一時的に大きくなるため、電気代削減効果、修理費の削減、快適性の向上、業務停止リスクの低減を含めて考える必要があります。

また、全館空調から個別空調へ切り替える、または全館空調を残しながら一部に補助空調を入れるなど、選択肢は一つではありません。現在の空調方式に不満がある場合は、複数の提案を比較することが欠かせません。

働き方やオフィスレイアウトに空調方式が合っていない

ハイブリッド勤務、フリーアドレス、部署再編、営業時間の変更などにより、空調方式が現在の働き方に合わなくなることがあります。

たとえば、出社人数が日によって大きく変わるオフィスでは、全館を同じように空調すると無駄が出やすくなります。一方、来客や会議が多いオフィスでは、共用部や会議室の快適性を保つ必要があります。

全館空調のまま運用を見直すのか、個別空調や補助空調を組み合わせるのか、専門業者と相談しながら検討するとよいでしょう。単に古い設備を同じ方式で入れ替えるのではなく、現在の働き方に合った空調計画を立てることが大切です。

オフィス全館空調の相談前チェックリスト

専門業者へ相談する前に、現在の空調設備やトラブル状況を整理しておくと、原因の特定や見積もりがスムーズになります。空調方式、機器情報、不具合の発生条件を把握しておくことが大切です。設備管理者・総務担当者が確認したい項目をまとめます。

空調方式・機器の型番・設置年数を確認する

まず、現在のオフィスが全館空調、セントラル空調、個別空調、ビル用マルチのどれに近い方式なのか確認します。あわせて、室内機・室外機の型番、メーカー名、設置年数、過去の修理履歴も整理しましょう。

設備情報がわかると、業者側も原因の見立てや対応可否を判断しやすくなります。型番や設置年数は、機器本体の銘板、竣工図面、設備台帳、過去の見積書、点検報告書などで確認できる場合があります。

テナントビルに入居している場合は、管理会社やビルオーナーが設備情報を持っていることもあります。自社だけで判断せず、管理区分を確認しておくことも必要です。

トラブルの発生場所と時間帯を記録する

冷房が効かない場合は、どの部屋で、いつ、どのような症状が出るのかを記録します。たとえば「午後だけ暑い」「窓際だけ冷えない」「会議室使用後に温度が上がる」など、具体的に残すことが大切です。

発生条件がわかれば、機器の故障なのか、使い方や熱負荷の問題なのかを切り分けやすくなります。口頭で「なんとなく暑い」と伝えるよりも、場所、時間、人数、設定温度、外気温、症状を記録したほうが、専門業者も判断しやすくなります。

可能であれば、温湿度計で数値を記録しておくとよいでしょう。従業員からの苦情も、部署名や場所と一緒に残しておくと、温度ムラの傾向を把握しやすくなります。

修理・メンテナンス・更新のどれが必要か整理する

空調の不具合には、清掃で改善するもの、部品交換が必要なもの、設備更新を検討すべきものがあります。すぐに入れ替えを決めるのではなく、現在の症状、使用年数、修理費、電気代、今後のオフィス利用計画を整理しましょう。

相談前には、以下の項目をまとめておくとスムーズです。

  • 現在の空調方式
  • メーカー名・型番
  • 設置年数
  • 過去の修理履歴
  • 冷房が効かない場所
  • 症状が出る時間帯
  • フィルター清掃の頻度
  • 室外機周辺の状態
  • オフィスの人数やレイアウト変更の有無
  • 今後の移転・増床・縮小予定

相談前に優先順位を決めておくと、必要な対応を選びやすくなります。「できるだけ早く冷房トラブルを解消したい」のか、「電気代を下げたい」のか、「長期的に設備更新を検討したい」のかによって、選ぶべき対応は変わります。

オフィス全館空調でよくある質問

オフィス全館空調については、セントラル空調との違いや、冷房が効かないときの対応、テナント側でどこまで修理できるのかなど、実務上の疑問が出やすいものです。最後に、総務担当者や設備管理者が確認しておきたいよくある質問を整理します。

オフィスの全館空調とセントラル空調は同じですか?

完全に同じとは限りませんが、オフィスでは近い意味で使われることがあります。全館空調は建物全体や広い範囲を空調する考え方で、セントラル空調は中央の設備で空調を一元管理する方式です。

実際の管理方法は、建物や設備によって異なります。ビル側が一括管理している場合もあれば、フロアやテナントごとに調整できる場合もあります。まずは、自社オフィスの空調方式と管理区分を確認しましょう。

オフィス全館空調で冷房が効かないときは何を確認すべきですか?

まずはフィルター、吹出口、吸込口、室外機まわり、設定温度、運転時間を確認しましょう。特定の部屋だけ暑い場合は、レイアウト変更や在室人数、発熱機器の増加も原因になることがあります。

複数の部屋で同時に冷房が効かない場合や、異音・水漏れ・ブレーカー停止を伴う場合は、空調設備側の不具合も考えられます。社内で判断しきれないときは、早めに専門業者やビル管理会社へ相談しましょう。

全館空調から個別空調へ変更できますか?

全館空調から個別空調へ変更できるかどうかは、建物の構造、配管、電源容量、管理区分によって変わります。テナントビルでは、自社だけの判断で変更できない場合もあります。

個別空調へ変更する場合は、室内機・室外機の設置場所、配管ルート、工事範囲、ビル側の許可などを確認する必要があります。まずは管理会社や空調業者に相談し、実現可能性と費用感を把握することが大切です。

オフィスの空調更新は何年くらいで検討すべきですか?

空調更新のタイミングは、使用環境や機器の状態によって異なります。単純に年数だけで決めるのではなく、修理回数、電気代、冷暖房の効き、部品供給の状況、今後のオフィス利用計画を含めて判断しましょう。

修理を繰り返している、電気代が上がっている、冷房が効きにくい、働き方やレイアウトに合わないといった状態がある場合は、更新や入れ替えを検討するサインです。

テナントでも空調設備の修理を依頼できますか?

テナントでも修理を依頼できる場合はありますが、空調設備の管理区分によって対応が変わります。専有部の個別空調であればテナント側が対応するケースもありますが、全館空調やセントラル空調の一部であれば、ビル側や管理会社が対応する場合もあります。

まずは賃貸借契約書や管理規約を確認し、どこまでが自社の管理範囲なのかを把握しましょう。判断が難しい場合は、管理会社に症状を伝え、修理・点検の窓口を確認するのが基本です。

快適なオフィス環境は空調管理から変えられる

オフィスの全館空調は、単に建物全体を冷暖房する設備ではありません。従業員の快適性、電気代、設備管理のしやすさ、トラブル時の業務影響に関わる重要なインフラです。

冷房が効かない、温度ムラがある、空調費が気になるといった悩みがある場合は、まず現在の空調方式と運用状況を確認しましょう。そのうえで、フィルター清掃や設定温度の見直しで改善できるのか、専門業者による点検・修理・更新が必要なのかを判断することが大切です。

特に、冷房不良が複数の部屋で起きている場合、異音や水漏れがある場合、修理を繰り返している場合は、早めに点検を依頼することで大きなトラブルを防ぎやすくなります。オフィスの空調環境を整えることは、働きやすい職場づくりにもつながります。気になる不具合がある場合は、修理・メンテナンス・更新のどれが適切か、専門業者へ相談してみてください。

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